公式サイトより引用
今年のゴールデンウィークは皆さまどのように過ごされたでしょうか?私はまたまた大好きな京都に行き、新たな刺激を受けたのでシェアさせていただければと思います。
KYOTOGRAPHIE
今回の旅の目的は「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2025」を訪れることでした。これは京都市内の歴史的建築物として特色のある重要文化財や寺院、町家などの近代建築物を会場とし開催される国際的な写真祭で、第13回目となる今回は「HUMANITY(人間性)」をテーマに、国内外の写真家による多彩な作品が展示されていました。
私が訪れたのは、東本願寺の大玄関。ここに展示されていたのは、アイルランド・ダブリン生まれのイーモン・ドイルというアーティストの作品でした。
今回展示されていた作品である「K」シリーズは、彼の母キャサリンが亡き息子キアラン(イーモンの兄)へ宛てた何百通もの手紙を基に制作されたものでした。これらの作品には、重力と風と光に削り取られながら、アイルランド西部の大西洋岸コネマラ、そして母の手紙が書かれたスペイン南西部の風景をさまよう覆われた霊(たましい)の姿が写し出されています。
この作品はパネルや紙ではなく絹にプリントされていたのも大きな特徴の1つです。近くに歩み寄ると少しだけ揺れ動き、なにか儚さを感じずにはいられませんでした。
また、彼の作品は、絹にプリントされた大判の写真だけではなくその空間に流れる音も含まれていました。アイルランドの伝統的な死者への哀歌「キーン」の貴重な音源が東本願寺 大玄関の空間の中に細く静かに響いており、作品への没入感をより強く感じさせる演出になっていました。


新たな才能を世界に送り出す展覧会「KG+」
サテライトイベントとして、京都から新たな才能を世界に送り出すことを目指す展覧会「KG+」も開催されていました。「KG+」はアーティストやキュレーター、会場が主催する展覧会を集めた写真フェスティバルです。街中の黄色い旗が目印となっていて、地域・来場者・作品を繋げ新たな発見や交流を生み出してくれます。京都の街を歩いていると、様々なところでこの黄色い旗を見かけました。同時に京都にはこんなにも展示会ができるギャラリーが点在しているのかと驚かされました。
私は「haku kyoto」というアートギャラリーで展示されていた横浪修さんという方の作品に出会いました。国内外の広告写真で活躍しながらも個人制作にも精力的に取り組んでいる方で、今回の写真展「心緒」では日常に潜む些細な瞬間や当たり前の存在の儚さを捉えた作品が並んでいました。彼の作品を見ていると、光と影のバランスが生み出す一瞬の出来事や、自分が見つけられていない美しい瞬間を知ることができたという気持ちになりました。普段何気なく、自分の視界に入っていても気にも留めなかった瞬間が、とても綺麗で心惹かれる瞬間だということ。彼の作品を知り、もっともっと自分の心は豊かになれるんだという余白を再確認することができた気がします。
(写真が撮れなかったので…。気になった方はInstagramをぜひご覧ください)
「サイアノタイプ」ワークショップ
同時にブックフェア、ワークショップなど、会期中は様々な関連イベントが開催されていました。今回はワークショップには参加出来なかったのですが、気になったワークショップをご紹介させていただきます。
皆さんは「サイアノタイプ」をご存じでしょうか?「サイアノタイプ」とは、最も古くて素敵な写真プリント技法の一つ。青写真と呼ばれるもので、紫外線に反応する塗料を塗った用紙を感光させ、像を定着させる技術です。このワークショップは写真家であり、サイアノタイプでも作品を発表する溝縁真子さんと一緒に和紙に美しいブループリントを作るという内容になっています。
綺麗にはためく作品に思わず目を奪われてしまいました。今回はワークショップに参加できず残念でしたが、サイアノタイプ体験キットが販売されているようなので自分でもやってみたいなと思います。

公式サイトより引用
「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2025」は、自分や他人の思考や感じ取り方に触れることができる機会になり、来年も訪れたいと強く思う写真際でした。来年も訪れたいと強く感じるイベントでした。気になった方は是非、来年足を運んでみてはいかがでしょうか。