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歩く世界遺産でタイムスリップ【熊野古道】

観光で和歌山県を訪れたことはありますか?
実は和歌山県は2021年の「都道府県魅力度ランキング」で総合1位に選ばれ、海外からも注目が高まっています。南紀白浜空港は観光エリア内に位置し、東京から飛行機で1時間ちょっとで行けてしまう穴場な旅先です。

今回はそんな和歌山県にある熊野古道をピックアップさせていただきます。

熊野古道は、紀伊半島にある熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)へと通じる参詣道で、道は三重県、奈良県、和歌山県、大阪府に跨っています。全長1,000km、熊野の神様を目指して複数のルートがあり、どれも長く険しい道のりです。

ちなみに熊野三山は熊野速玉大社は過去、熊野那智大社は現在、そして熊野本宮大社は未来と通じているとされ、熊野三山を巡れば、過去、現在、未来の安寧を得ると考えられてきました。
1000年の時を、身分も考えも異なる人たちが軌跡をつくり、多くの方の手によって大切に管理され、今も同じ道を歩くことができています。

身分や性別、信仰を問わず受け入れるダイバーシティな寛容な精神を持っていることも特徴的。後白河上皇は生涯34回訪れたと言われています。それ以外何をして生きていたの!?と思ってしまいますよね。

そんな熊野古道、2004年に世界で2つしかない道の世界遺産の1つとして登録されました。(ちなみにもう1つの歩く世界遺産はスペインのサンティアゴ巡礼道。熊野古道とサンティアゴ巡礼道を両方歩くと「デュアル・ピルグリム」という称号が与えられます!)

多くの人が「蘇り」を求め歩いてきた道には、深い歴史と、豊かな自然があります。苔むした石畳、木漏れ日が差し込む杉の木、せせらぎの音。
熊野詣をする人は「先達」と呼ばれる人に道中案内をしてもらっていたそうで、今も古道歩きをご一緒いただける語り部さんがいらっしゃいます。

びっくりするのは、海外旅行者の数。バックパック1つで歩いている方を多々お見かけします。日本人よりも多いかもしれません。
これは市のツーリズムビューロが尽力し、1,000人程度だった観光客を35,000人まで伸ばしたという功績があります。来てほしい人に来てもらうという観光戦略によって、歩く世界遺産として日本が誇る場所になっているそうです。

熊野古道が後世に引き継がれていくために大切なことは何でしょう?
私は日本人にこそ熊野古道を歩くという体験をしてもらいたいです。実際に語り部さんにご説明を受けながら熊野古道を歩いたことで、見える景色も感じることも、全く新しいものとなりました。

モデルコースは1泊2日で約38km。大変そうだと感じる方が多いかもしれません。
現代社会の喧騒を離れ、自然と一体となることで、心は洗われ、新たな活力が湧いてきます。自分自身と向き合い、歴史と対話できる、特別な場所。
あなたも熊野古道で、過去・現在・未来を心と体で巡る体験をしてみませんか?

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