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世界を飛び回ったコーヒー職人のセカンドキャリア【山形県・山形市】

雪模様が色濃く残る山形県山形市。3月上旬に筆者が訪れた場所は、これからの働きかた、生きかたを教えてくれるような、川のせせらぎが聞こえてくる場所にひっそりとたたずむ『森の焙煎所』でした。今日は「珈琲豆」と「キャリア(働きかた、生きかた)」の2本立てでお届けさせていただきます。

コーヒーのはじまり

コーヒーの歴史はエチオピアで始まり、15世紀にイエメンで栽培が開始されたところから、と言われています。イスラム圏で広まった後、17世紀にヨーロッパへ伝わりました。当初、水の衛生問題から安全な飲み物が求められていたヨーロッパにおいて、煮沸して飲むコーヒーは重宝されました。(それ以外はビールやワインなど、アルコールを含む飲み物が安全とされていたそうです。)

さらに、コーヒーに含まれるカフェインがもたらす覚醒作用は、人々の集中力と生産性を高め、知的活動が盛んな当時の社会に合致しました。コーヒーハウスは情報交換や文化交流の場として発展し、コーヒーは社会に不可欠な飲み物となっていきました。

コーヒーの歴史のはじまりから、日本にコーヒーが入ってきたのは、それからずっと先の話です。鎖国時代の日本に唯一入ることのできるオランダ人が持ち込んだのがはじまりと言われています。当日はオランダ人との接触のある外交官や商人が口にすることを許されていました。今のようにコーヒーが大衆文化となったのは、明治維新後のお話。文明開化の波と欧米人への憧れから、コーヒーが一気に広まりました。

なんと、日本と諸外国では、コーヒーの歴史の差が約300年もあるのです。

コーヒー豆の輸入

明治時代初期、日本ではじめてのコーヒー豆栽培がはじまりました。試行錯誤しながら、ジャワ島から持ってきたコーヒーノキを育て、コーヒー豆を栽培していましたが戦時中に栽培は一時中断。その後、1968年に小笠原諸島の住民が野生化したコーヒーノキを発見し、コーヒー豆栽培が復活しました。この時すでに、コーヒー栽培を行ってきた諸外国との歴史の差は400年近くに。近年では、沖縄や鹿児島など比較的温暖な地域での栽培だけでなく、新潟での栽培事例なども注目され始めています。

画像引用:全日本コーヒー協会 公式HPより

1968年から57年。今では、すっかり日本でもコーヒーが大衆文化として受け入れられているように感じます。文化をつくるということは、一朝一夕にはいかず。後ろには、この文化をつくるために奔走してきた人がたくさんいます。世界各地のコーヒー農家に足を運び、栽培方法を学び、焙煎方法を学び、そしてお気に入りの一つ豆を日本に輸入するためのいくつもの交渉と法規制の確認と対応。それら一つ一つの活動と歴史が紡がれてきたからこそ、日々僕たちは美味しいコーヒーを口にすることができています。

45年コーヒーと向き合ってきた商人

日本のコーヒーの歴史は57年と言っても良いかもしれません。そのうち、実に45年間をコーヒー商社の商人として世界を飛び回り、珠玉の豆を厳選、日本に持ち帰り続けた人がいます。

鑓水(やりみず)房男さん

45年の商人としての世界中に広がるつながりと情報、経験を駆使した、厳選された生豆を『森の焙煎所』のお店いっぱいに並べ、そこに訪れるお客様の好み、気分、その日の状態を丁寧に聞きながら、お客様だけのコーヒー焙煎を実現させています。

僕は「未知の出会い」を求めて鑓水オーナーとお話させていただきました。強すぎる酸味ではなく、朝に飲んでも夜に飲んでもズドンと重みのあるものでもなく、口当たりから喉を通るまでまろやかな一杯を探し出しました。

【中国 雲南市】の生豆を中炒りでのオーダーメイド。

この珠玉の1杯はコーヒーが好きな人には「未知との出会い」を誘うことができ、コーヒーが苦手な人には「コーヒーの概念を覆す出会い」を誘うことができると感じています。

コーヒー道1本の商人のセカンドキャリア

世界を駆け回り、英語圏、中国語圏、スペイン語圏と文化適応能力も言語能力も必要な商人の仕事。土日も関係なく、否が応でも世界を飛び回る必要があったかもしれません。しかし、この経験から培える能力は多分にあるはずです。

語学力、海外ネットワークを駆使して、日本と海外のつなぎ役として首都圏で活躍することもできたかもしれません。しかし、鑓水オーナーの選んだ道は「山形県と宮城県の県境にたたずむ小さなコーヒーショップ」です。

もしかしたら引退と捉えられてしまうかもしれません、しかし、僕の感覚は「挑戦」でした。好きが高じてコーヒー豆を自分で削り、飲まれていたと思います。ですが、お客様にオーダーコーヒー豆を焙煎となると、商人とは異なる接客能力や店舗経営能力、個人消費者への説明能力など、新しい能力が必要になります。そして舞台は世界から超がつくほどのローカルです。

令和の時代。暮らしかたも生きかたも人それぞれ。ですが、それぞれだからこそ一つだけの答えというものがなく、迷ってしまう情報もたくさんあります。立ち止まり、迷ってみることもおススメです。力強く進むために、休憩することも大切です。

どんなときでも隣にある「あなただけのオリジナルコーヒー」で、明日からの1杯をはじめてみませんか?

森の焙煎所 珈琲たかせ 概要

住所山形県山形市上東山2220
電話090-5184-9972
FAX023-686-3676
営業日金・土・日
営業時間10時〜17時
公式HP(オンラインショップもあります)

Community Branding Japanについて

CBJでは、全国の地域経済創発活動に力を入れて進めています。PRやブランディングのご支援にはじまり、実際にはたらくことを見据えた地域体験や研修プログラムづくりだけでなく、プロジェクトメンバー自身がLinkedInをはじめとするオウンドメディアでの発信することによって集客も担っていきます。活動にご興味を持ってくださる個人、企業、地方自治体の皆様、お気軽にお問い合わせください!

Edit by 長嶺将也

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