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スポーツと地域経済:世界と日本、現状と可能性を探る

「地域活性化にはスポーツが必要だ。」

僕(長嶺)がイギリスで生活していたころに大家さんから教えていただいた一言です。

当時は、あまりピンと来ていなかった言葉だったのですが、今こうして地域経済創発の一端を担えるよう全国津々浦々足を運ばせていただく過程を経て、最近ようやく、この言葉の意味が見えてきました。

日本では年始の箱根駅伝、年4回開催の大相撲などの恒例イベントからボクシングや世界陸上などの限定イベントなど、多くのスポーツを見ることができます。

しかし、これらスポーツも「資金」なしには運営はできません。本日は世界に見るスポーツビジネスとこのビジネスがつくる地域経済の活性化について見ていきたいと思います。

欧州フットボール市場

スポーツ、特にフットボール(日本ではサッカー)は、世界中で多くの人々を熱狂させるエンターテインメントであり、イギリスやスペインはフットボールの最前線と言われています。人気のクラブチームにもなると、年間50試合、毎回8万人ほどの観客が試合を観に訪れます。この数字は、東京ドームの約1.5倍です。日本の野球チームである読売ジャイアンツの試合が毎試合満席になったとしても、8万人という数字には届きません。このような巨大チームが欧州には多く存在し、その地域のアイデンティとなり、誇りとなり、人々の生活や心を豊かにしています。

例えば、イギリスのあるクラブでは年間で約1800億円ほどを集計します。日本の野球チームDeNAは約200億円と試算されています。なんと9倍もの収益を生み出しています。

欧州フットボールチームは、地域に深く根差しており、試合のチケット販売やグッズ販売、スタジアムツアーだけでなく、飲食店・ホテル経営、メディア・通信TV事業、はたまた地域の教育事業にも貢献しています。そのため、地域住民からの支持も厚く、生まれた地域のチームのユニフォームを着て、一生をともにすることが当たり前になっていることもあります。「わたしには〇〇(チーム名)の血が流れている!」と胸を張って声高に叫んでいる人もたくさん見られます。

日本のスポーツビジネス市場

一方、日本のスポーツビジネスは、欧米に比べて遅れていると言われています。プロ野球やJリーグなど、人気のあるスポーツリーグは存在しますが、収益の大きさや地域経済への貢献度という点では、まだ改善の余地があるという見解が大半です。

日本のスポーツビジネスが抱える課題としては、以下の点が挙げられます。

●収益源が多様化していない: チケット販売やグッズ販売など、従来の収益源に依存する傾向が強く、新たなビジネスモデルの創出が遅れています。欧州圏の場合、賭けの対象として事業会社が運営を担っているため、そもそも大きな金額が動きます。

●地域との連携不足: 地域住民とのつながりが希薄で、地域経済への波及効果が限定的です。学校教育や地域活動に地域のチームが参加する、などが当たり前のように行われています。最近(2025年1月20日現在)ですと米国ロサンゼルスの山火事の際に、ロサンゼルスに本拠地を置く野球チーム「ドジャース」が多額の寄付金を申し出たことが記憶に新しいかと思います。

●マーケティング戦略の不足: 海外に比べて、ファン獲得のためのマーケティング活動が不足しています。日本の場合、相撲や柔道などの「武士道」に通ずる競技が国技として扱われてきたこともあり、「スポーツ≠ビジネス」という考え方による部分が大きいです。そのため、マーケティングを頑張るよりも、スポーツ自体の活動を頑張ろう、という意識の方が強いのかもしれません。

しかし、日本のスポーツビジネスには、大きな可能性も秘められています。近年では、スポーツツーリズムやeスポーツなど、新たなスポーツビジネスが成長しつつあります。また、地域密着型のスポーツクラブが増加しており、地域経済への貢献も期待されています。

eスポーツは日本が進んでいるとも言われていたり、新しい世界的なフットボールリーグ

創設に日本人が関わり始めていたりもします。

NECレッドロケッツ

その好例として、NECレッドロケッツが挙げられます。NECレッドロケッツは、東京都府中市を拠点とするバレーボールチームで、地域密着型の活動に力を入れています。地域住民との交流イベントや、小中学校でのバレーボール教室などを開催することで、地域からの支持を獲得しています。また、ホームゲームでは、地元企業とのコラボレーション企画なども実施しており、地域経済の活性化にも貢献しています。

僕が観戦させていただいた際には、子供大人を招き、始球式や試合開始前のコートイベントなど、楽しみながら「夢を与える」取り組みも積極的に行っていた光景が印象的でした。

スポーツは、人々に夢や感動を与えるだけでなく、地域経済を活性化する力も持っています。日本の精神性、その地域ごとに根付く精神性や文化を尊重しながら、新しい形のスポーツビジネスの在り方を追求していくことが、地域経済の発展により繋がっていく。

そんな可能性を大きく感じています。ぜひ、地域経済創発の一役を担える「スポーツ観戦」を皆さまも一緒に行っていきましょう♪

Community Branding Japanの取り組み

CBJでは、全国の地域経済創発活動に力を入れて進めています。PRやブランディングのご支援にはじまり、実際にはたらくことを見据えた地域体験や研修プログラムづくりだけでなく、プロジェクトメンバー自身がLinkedInをはじめとするオウンドメディアでの発信することによって集客も担っていきます。活動にご興味を持ってくださる個人、企業、地方自治体の皆様、お気軽にお問い合わせください!

Edit By 長嶺将也

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