画像引用元:「延岡メンマ」公式サイト
社会課題の一つである「放置竹林」をなんとかビジネスにできないのか。
日本全国で様々な製品開発の取り組みを行う企業が増えている中、
「メンマ」のラグジュアリービジネスで今、注目を集めている宮崎発ベンチャーのブランド。LOCAL BAMBOOさんという企業が手がけている、その名も「延岡メンマ」。
通常のスーパーなどで売られている商品デザインとは、一線を画すシンプルで高級感のあるパッケージデザインと900円~1500円と従来よりも値段を高く設定されたそのメンマは、ANA国際線ファーストクラスの機内食に採用されるなど今話題の商品となっています。
では、なぜ「メンマ」だったのでしょうか。
その背景には、”メンマ”がゴールではなく、「あくまでも放置竹林問題を解決」することが目的であることが大きいといえます。
タケノコはわずか数日、採取か遅れただけで丈が伸びて幼竹になり、市場価値がなくなってしまうもの。そんな本来はいらないはずの「幼竹」をお金にできる世界戦ができれば「放置竹林問題」を解決できるのではないか、そう思い、実家の所有する竹林から取れた1トンほどの幼竹を使って「延岡メンマ」という商品を形にすることから始めました。
イノベーターで社会問題にも関心がある都心在住のZ世代をターゲットに設定、地元のみそ屋で仕入れた赤みそを使用した、ピリ辛で個性のあるものなど従来のメンマ=ラーメンに添えてあるトッピングからご飯やパン、麺類などどんな料理にも合う“おかず”としてプロモーションを行い、メディアにも多数取り上げられるなど話題を作る中で、
当初、本来はいらないはずの「幼竹」を買い取りたいとなった時、地元の方とのハレーションが大きかったといいます。メディアで取り上げられたりとその頑張りも認められ、多くの農家さんの協力もだんだんと仰げるようになっていきました。
そして、さらなる話題化を狙い、航空会社の機内食への起用を狙っていた社長は、航空路線が発着する「ご当地」の地方創生にも繋がり、そして最大の目的である「放置竹林」という社会課題の解決にも寄与できる商品として、ANAのファーストクラスでの機内食採用への売り込みにも成功。
その影響で、さらにメディアでの露出も増え、ECでは1日に100万円超を売り上げる日ができるなどブランドを大きく成長させることに成功する他、今は、「食育」カテゴリーで地元の学校給食にも採用されたり、全国8カ所で「メンマづくり」を行うプロジェクトを行ったり、春しか採ることができない幼竹以外の「竹」を活用したビジネス展開として新たに竹を燃やしてつくる竹炭を利用したお菓子や、竹で香りをつけたクラフトジンを展開するなどさらなる社会課題解決の一歩を踏み出されているそうです。
社会課題を元にビジネスにすることは重要な反面、コストや価値の部分のバランスが難しく、続けていくのが難しい課題が多くあります。より多くの方に愛され続ける、そんな今後の活躍を応援していきたいなと思っています。
Edit by Risa Takashima