読売新聞オンラインより引用
東京、葛飾区の一角にある亀有。こち亀の舞台として知られているこの下町には、実は、千年以上の歴史を持つ「香取神社」や、地元の人たちが丁寧に守り続けてきた文化が息づいています。今回は、そんな亀有のポップカルチャーと伝統が交差する魅力をご紹介します。
両さんが見つめてきたリアルな“下町人情”
まず、亀有と言えばやっぱり『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、通称「こち亀」。1976年から2016年まで、なんと40年間にわたって「週刊少年ジャンプ」で連載されたこの作品は、ギャグと社会風刺、そして下町の人間模様を描き続けてきました。JR亀有駅の周辺には、両津勘吉をはじめとするキャラクターの銅像が点在していて、初めて訪れた人でもついつい写真を撮りたくなってしまいます。特に駅前のロータリーに立つ両さん像は、観光の定番スポットになっています。
こち亀が描いていたのは単なる笑い話ではなく、時代の流れの中で変わっていく商店街、夢に挑戦する若者、世代を超えたつながりなど、そのすべてに「人のぬくもり」が詰まっていたように感じます。
1000年以上、町と共に生きる香取神社
そんな賑やかな駅前から少し足をのばすと、亀有の静かな核でもある「亀有香取神社」があります。創建は665年とも言われ、とても長い歴史のある神社。戦災や災害を乗り越えながら、長い年月地域の人たちの拠り所として静かに存在してきました。
御祭神は「経津主神(ふつぬしのかみ)」で、勝運や厄除けのご利益があるとされています。特に勝負ごとや新しい挑戦の前に参拝する人が多く、地元の学生や起業家、スポーツ選手たちにも親しまれているようです。
境内では四季折々の行事が行われ、特に例大祭や初詣には多くの地域住民が集まります。(例大祭:毎年9月頃に開催される亀有香取神社の伝統的な神事)これらの行事は、単なるイベントではなく、地域の人々の絆を育む大切な“時間の共有”になっています。

「こち亀」と香取神社がつながる瞬間
境内の一角に設置された「両さんと歩く亀有マップ」には、亀有にある町会の説明や亀有のおすすめポイント、実際の風景写真と「こち亀」で描かれた亀有の風景を対比した漫画のコマ、亀有の今昔物語などが記載されています。(漫画の中で両さんが香取神社を訪れるシーンがあり、そのコマも紹介されています)漫画と神社、ポップと伝統。一見ミスマッチに思える組み合わせですが、それが自然に溶け込んでいるのが、亀有という街の魅力なのかもしれません。

GOOD LUCK TRIPより引用
“漫画文化”を守る、こち亀記念館
こち亀文化の中心地として、2022年にオープンしたのが「こち亀記念館」です。館内には、連載当時の貴重な原画やカラーイラスト、作者・秋本治先生の直筆メッセージ、実物大の両さん人形など、ファンには嬉しい展示がぎっしり詰まっています。訪れるのは地元の人だけでなく、全国からのファン、そして外国人観光客も多いようです。こち亀記念館は、地域に根ざしながらも、グローバルな文化資源としてのポテンシャルを秘めています。漫画のようなポップカルチャーは一過性のものと思われがちですが、住民と行政が継続的に活用し、地域の誇りとして定着させることで、「観光以上の価値」を生み出すことが出来るのではないかなと思います。

「あったかさ」で街をつくる時代へ
亀有は、決して大きな観光地ではないかもしれません。でも、ふらっと歩けば、どこか懐かしくて、優しい気持ちになり、また来たくなるような感覚に包まれます。お金をかけて何かを「作ること」ではなく、そこにある価値に気づいて、それを「育てていくこと」が重要なのだなと最近思うことが多いのですが、亀有はまさにそれを体現している町だなと感じました。
この記事を書きながら、時間やお金を使って”消費”してもらう観光地になるよりも、なにかしらの感情や共感を生み「応援したい場所」や「関わり続けたい場所」、「もう一度帰ってきたくなる場所」になることが重要なのではないかと、ふと感じました。
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Edit by 水野友香