今話題の立ち食いそば屋「SUBA」。
「SUBA」は2021年の大みそかに京都の清水五条の路地裏にオープンした立ち食いそば屋です。立ち食いそばになじみのない人も訪れたくなるユニークな空間と、そこで味わえる関西風のあっさりとしただしのそばが注目を集め、多くの人が訪れる人気店に。そして昨年の9月、東京・渋谷に新店がオープンしました。
どんなお店なのかずっと気になっていて、京都の店舗も東京の店舗も行ってみたのでご紹介させてください!
京都の「SUBA」
京都のSUBAは富小路通、京都の中心部から少し入った、いわゆる“裏通り”のような場所にありました。看板は特になく、広い入口とタイル貼りの外観が特徴的です。古い町屋を改装したお店の広い入口からは、そばを味わう日本人や海外の方で賑わっている様子が伺えました。

町家の造りをそのままに活かした空間に置いてあるのはテーブルのみ。木造で温かみのある雰囲気で、店内にはAMラジオが流れていてなんだか夏休みのおばあちゃん家を彷彿させるような空間でもありつつ、テーブルは陶芸家の橋本知成さんという方が手掛けられているとのことで、アートにも触れることができる空間でした。テーブルの天板はあえて平らではないデザインになっていて、器を置くと傾くこのテーブルが「名物」にもなっているようです。アートの上でそばをいただくという、普段だったらすることのない特別な体験ができます。
注文は厨房の方にあるカウンターで行い、呼ばれたら取りに行くというセルフサービスのオペレーション。メニューは“自家製麺のかけ蕎麦”に特化していて、一番のこだわりポイントはだしとのこと。だし屋さんと相談しながら、本かつお節や宗田節、さば節などの節類と利尻昆布を合わせただしパックを開発し、従業員の誰でも同じ味を再現できるようにしているそうです。
私が食べたのは「名物!肉そば温泉卵」(¥1,500)で、お肉と卵を絡めて食べるともう最高に美味しかったです…。(このそばは東京の店舗でも楽しめるメニューです!)こだわられているだしは関西風ということもあり、全部飲み切れるほどあっさりしたおいしさでした。
SUBA
京都府京都市下京区木屋町通松原上ル美濃屋町182-10
営業時間/12:00~23:00
定休日/不定休
Instagram/@subasoba
※キャッシュレスオンリー
東京・渋谷の「SUBA VS」
昨年の9月にオープン。こちらもやはり看板は出しておらず、明治通りから一本入った所にあるビルに入っていました。1階と2階があり、2フロア計約30坪で、内装は京都店のデザインも手がける建築デザイナー関祐介さん(YUSUKE SEKI STUDIO)が担当されたとのこと。複合店としての店名は「VS」で、1階は立ち食いそば「SUBA VS」、2階はワインショップ「VIRTUS VS」として営業していました。


NumeroTokyoより引用
店舗の雰囲気は京都の店舗とはまったく異なり、コンクリートうちっぱなしの壁や床が特徴的で、必要最低限の要素しかなく、余分なものが削ぎ落とされている印象でした。蕎麦を楽しめる1階は、カウンター下の床があえて傾かせてあったり、砂利がしきつめられていたりと、かなりユニークな空間でした。
メニューのラインナップは大きく変わらないのですが、「とり天毛沢東スパイス」(¥1,200)は渋谷店限定とのこと。サクサクのとり天とだし、スパイスの相性を感じることができる一杯です。ここでは渋谷店限定メニューの「舟形マッシュルームと唐千寿そば」を注文しました。山形県舟形町最上川の水と自然に恵まれた土地で育まれる良質なマッシュルームと、石川県七尾市にあるカニカマを発明した(株)スギヨさんのカラスミ風「唐千寿」が贅沢に使われていたメニューでした。(言われなかったら本物のカラスミだと思い込むくらいの再現度でした)

店内を奥に進むと階段があり、2階のワインショップとバー「VIRTUS VS」に続きます。ワインセラーには、1000種類以上のナチュラルワインと日本ワインがずらりと並んでおり、またワインディスペンサーもあります。ワインディスペンサーには常時48種類以上のワインが設置されていて、1杯550円で気軽にグラスで飲み比べできるようです。
そば屋といえば定番の「そば湯」ですが、ここではワインを温かいだしで割り七味を利かせて飲む「だし割り」(500円)が人気なようです。

シブヤ経済新聞より引用
SUBA VS
東京都渋谷区渋谷1-15-8宮益ONビル1F
営業時間/12:00~23:00
定休日/不定休
Instagram/@subasoba_vs
※キャッシュレスオンリー
京都と東京、2つの街にそれぞれの表情を持って存在するSUBA。そば自体にも空間にも、想像以上にそれぞれ特徴やこだわりが詰まっているお店でした。初めは味が気になるというよりも「どんなお店(空間)なのだろうか?」という点が気になり足を運びましたが、手軽にこんなに美味しいそばを楽しめるのならまた行きたいなぁと思うようなお店でした。みなさんも京都や東京に行く機会があれば、是非訪れてみてはいかがでしょうか。