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いただいた命を美味しく、有効活用する|食から自然環境を知るジビエツアー【坂本雅利さん|敦賀市】

害獣問題とジビエ。今、注目される野生動物を食肉として活用する取り組みが各地域で進んでいます。
今回は、“いただきます”を食卓にというビジョンで活動されている坂本 雅利さんにジビエツアーへご案内いただけることに。福井県敦賀市にて鹿と向き合う1日を体験しました。

魚は天然 肉は養殖

坂本さんから最初にいただいたのは「魚は天然、肉は養殖」が当たり前であることへの問いでした。よく考えると、なんだか不思議ですよね。

学生時代に野生動物保護について研究されていた坂本さん。野生動物とは関係のない会社でキャリアを積み、転勤で引っ越した敦賀にて2023年10月に会社員を辞めて独立。現在、地元のジビエを身近な食材として広げるための地域の様々なプレイヤーを巻きこみながら活動を拡げていらっしゃいます。

この記事を読んでくださっている方へ、残さず食べることは当たり前でしょうか?
残念ながら、世の中的にはそうではありませんよね。本来美味しくいただける命を、駆除するだけになってしまうこと。それはいただきますをする前にさようならになってしまうということで、非常にもったいない。

【出典】「鳥獣被害の現状と対策」(農林水産省農村振興局)

命と向き合い、美味しくいただく

一方で。害獣問題は規模も被害も莫大で急ピッチで解決していく必要があるけど、食肉としては安定した供給が難しいし、食べたことがない人も多い。丁寧な処理をすれば美味しいけれど、丁寧な処理をできる人がいない。そんなことをしていたら商売にならなくなってしまう。ジビエは参入障壁も高く大変!そんな声をよく聞きます。

今回のツアーでは、鹿の解体も見せていただきました。
「無理だと思ったらすぐ言っていただいて大丈夫ですよ」と常時お気遣いいただき、緊張しながらも何とか最後まで見届けようと思いました。真摯に丁寧に向き合って対応されている姿に、目を背けることが失礼だとすら感じます。

鹿のしゃぶしゃぶ。絶品!

いただいたのは鹿のラーメン、しゃぶしゃぶ、すき焼き、ステーキ。
脂身がなくて、どんどん食べれてしまう。鉄分やビタミンB群、アミノ酸、ミネラル、DHAが豊富に含まれていて、栄養価が高いそうです。個人的には牛や豚よりも美味しいとすら感じました!実際に、鹿を食べてからもう鹿肉だけでいいやという人も多いようです。さっきまで生きていた命をいただく。今も温かな体温を忘れられません。

待ったなしの害獣問題

ツアーの中では、畑に猿軍団を発見。畑が荒らされていて、かなり怖かったです。敦賀駅から車で15分ほどのエリアで、イノシシと鹿と猿の害獣対策がされていました。
集落を金網で囲っているような状況で、それ以外にも畑に動物が入らないように個々人が対策しているようでした。人が暮らせるように道を切り拓いていくと、日当たりの良い土地が出来て、餌となる栄養豊富な草が生える。そうなると動物は山からおりてくる。一家だけでは対策できないし、行政に任せっぱなしにできることではない。

害獣対策の柵。猿、鹿、猪に合わせてつくられている。

日本でも古来から行われていた狩猟。江戸時代には、実は武士よりも農村の方が鉄砲を持っていたようなんです。鉄砲所持を許されていた理由が、まさに害獣駆除。農家にとっては欠かせない仕事の1つだったでしょうね。

地域の問題と言うと、空き家や耕作放棄地等はよく聞く話でしたが、ジビエが地域課題解決に大きく踏み込んでいることが分かりました。地方の暮らしや経済を考える上で、無駄になってしまっている命を人の日常に持ち込んでいく。坂本さんの活動を応援していきたいですし、私もできることからはじめていきたいです。

鹿肉を食べてみよう!

鹿肉ペットフード
鹿肉ソーセージ

ちなみに、現在食肉とペットフード双方で商品化されています。鹿肉ソーセージはふるさと納税の返礼品にもなっていて、とっても美味しいです。
ペットフード!?と驚かれる方もいらっしゃいますが、鹿肉は犬にも人気。高タンパク質で低脂肪、低カロリーな赤身肉はペットフードの原料として適しているそうです。衛生面で安全なペットフードとして商品化されていると安心ですね。

敦賀の魅力は海と山と町の距離。この場所にしかない自然の恵みと、世界と繋がる港町であり、歴史的に交通の要衝でもあった場所。この敦賀という場所だからこそできるチャレンジがあると感じました。”いただきます”を食卓に。食から地域の社会課題解決に関わってみませんか?

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CBJでは、全国の地域経済創発活動に力を入れて進めています。PRやブランディングのご支援にはじまり、実際にはたらくことを見据えた地域体験や研修プログラムづくりだけでなく、プロジェクトメンバー自身がLinkedInをはじめとするオウンドメディアでの発信することによって集客も担っていきます。活動にご興味を持ってくださる個人、企業、地方自治体の皆様、お気軽にお問い合わせください!

Edit by 高崎澄香

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