千葉県香取郡多古町、のどかな田園風景の中にひっそりとたたずむ古刹があります。その名も正東山 日本寺(しょうとうざん にちほんじ)。普段は静かなこのお寺。約1万株の紫陽花が境内を彩る「あじさい寺」として、今がまさに見頃です。
歴史と学問が息づく古刹
日本寺は、元応元年(1319年)に中山法華経寺の三世日祐上人によって開かれた、実に700年以上の歴史を持つ日蓮宗の古刹です。特に重要なのが、慶長4年(1599年)から明治8年(1875年)までの長きにわたり、「中村檀林(なかむらだんりん)」という仏教の学問所が置かれていたこと。
最盛期には千人近い学僧が全国から集まり、延べ10万人もの僧侶を輩出したというから驚きです。飯高檀林(匝瑳市)、小西檀林(いすみ市)とともに「関東三大檀林」の一つと称され、日本の仏教教学の発展に大きく貢献した歴史ある場所なんです。
お寺の入口、重厚な山門に掲げられた「正東山」の扁額は、あの芸術家本阿弥光悦の真筆と伝えられています。池上本門寺、中山法華経寺の扁額と合わせて「日本三額」の一つにも数えられ、その歴史的価値の高さがうかがえますね。
約1万株の紫陽花が織りなす絶景
そんな歴史深い日本寺が、近年「あじさい寺」として注目を集めています。境内には、なんと約8,000株から10,000株もの様々な品種の紫陽花が植えられており、6月に入ると一斉に咲き誇ります。関東近郊でこの規模はなかなかない上に、穴場スポットでもあります。
色とりどりの紫陽花が、境内のあちこちで訪問者を迎えてくれます。特に、境内の奥へと続く「あじさい遊歩道」は必見! 頭上を覆うように咲き誇る紫陽花のトンネルは、まるで別世界に迷い込んだかのような幻想的な体験を与えてくれます。写真を撮るのも楽しいですが、ぜひゆっくりと散策して、紫陽花の香りと色彩に癒されてみてください。
また、手水舎の中央には「身代わり観音」が安置されています。自分の体の悪い部分をタワシでこすると、観音様が身代わりになってくれるという言い伝えがあります。紫陽花鑑賞のついでに、ぜひお参りしてみてはいかがでしょうか。
日本寺と合わせて訪れたい!多古町のあじさいスポット
日本寺の紫陽花を楽しんだ後は、多古町の魅力をさらに満喫できるスポットへ足を延ばしてみましょう。
道の駅 多古 あじさい館
日本寺から車で数分の場所にある「道の駅 多古 あじさい館」は、多古町の玄関口ともいえる存在です。地元の新鮮な野菜や特産品が豊富に揃っており、お土産探しにもぴったり! レストランでは、ブランド米である多古米を使った美味しいお食事も楽しめますよ。
特に注目したいのが、道の駅の裏手を流れる栗山川沿いに広がる「あじさい遊歩道」。日本寺の紫陽花とはまた違った雰囲気で、川のせせらぎを聞きながら、ゆっくりと紫陽花の景色を楽しめます。日本寺と道の駅、両方の紫陽花を巡る「あじさいはしご」もおすすめです!

アクセス情報
正東山 日本寺
所在地: 〒289-2257 千葉県香取郡多古町南中1820-1
車でのアクセス:
東関東自動車道 成田ICより約30分
東関東自動車道 大栄ICより約30分
銚子連絡道路 横芝光ICより約20分公共交通機関でのアクセス:
JR成田駅または芝山千代田駅よりJRバス(多古行・八日市場行)「南中」下車、徒歩10分。
JR八日市場駅よりJRバス(多古行・成田行)「南中」下車、徒歩5分。
道の駅 多古 あじさい館
所在地: 〒289-2241 千葉県香取郡多古町多古1069-1
日本寺からのアクセス: 車で約5分
歴史あるお寺の荘厳な雰囲気と、今が見頃の美しい紫陽花が同時に楽しめる正東山日本寺。そして、多古町の魅力を堪能できる道の駅とあじさい遊歩道。今年の初夏は、ぜひ千葉県多古町へ、心癒される紫陽花巡りの旅に出かけてみませんか?
多古町の風景。多古米が食べたくなります!
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Edit by 高崎澄香
TOP画像参照:一般社団法人 多古町観光まちづくり機構