秋といえば「芸術の秋」。夏の暑さがやわらぎ、涼やかな空気のなかでおでかけがしやすくなるこの季節は、美術館やアートイベントを訪れるのにぴったりです。世界的巨匠の名作から現代的なインスタレーション、さらには日本文化を代表するアニメまで、多彩な芸術と出会える場が各地で広がっています。感性を刺激し、日常を豊かにしてくれるアートとの出会いを、この秋に楽しんでみませんか。
テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート

世界で最も多くの来館者を誇る施設・テート美術館(主にテート・モダン、テート・ブリテンを含む英国国立美術館群)は、英国および世界の20世紀以降の近現代美術を網羅的に収蔵・展示する、英国を代表する美術館グループです。本展「YBA & BEYOND」は、テートが誇るコレクションの中から、1980年代後半から2000年代初頭にかけて英国で生まれた「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)」を中心に、約60名の作家によるおおよそ100点の作品を紹介します。ダミアン・ハースト、トレイシー・エミン、ジュリアン・オピー、ヴォルフガング・ティルマンス、スティーヴ・マックイーン、ルベイナ・ヒミドらが登場し、絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーションなど多様な形式を通じて90年代英国の文化的熱量を可視化します。この展は、単なる「過去を振り返る」ものではなく、90年代英国内外での音楽・ファッション・サブカルチャーとの相互作用にも光を当て、当時の創造的なリアルを体感させる構成になっています。東京では 国立新美術館(東京都港区六本木7-22-2)で、2026年2月11日〜5月11日まで開催。金・土曜日は夜間開館(20時まで)もあります。巡回後は 京都市京セラ美術館 にて6月3日〜9月6日に巡回予定。
ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢

本展は、画家フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890年)の名声が生前には得られなかったとしても、彼の「夢」を家族がどのように守り受け継いできたかに焦点を当てる展覧会です。会場は東京都美術館(上野公園内)、会期は2025年9月12日〜12月21日。展示は、ファン・ゴッホ美術館所蔵の作品を中心に、約30点の油彩・素描に加え、日本初公開となる手紙4通を含むコレクションで構成されます。本展のストーリー性の鍵は、画家を支えた弟テオ、テオの妻ヨー、さらに甥のフィンセント・ウィレムらが、作品を散逸させず保存・公開し続けた歩みにあります。特に手紙の展示は貴重で、ゴッホの思想、制作動機、弟との往復書簡などが、生の声として伝わってきます。また、オランダ時代、パリ時代、アルル・サン=レミ・オーヴェール時代と、地理・時期を追った画業の移行がたどられ、ゴッホの内的変化と外的環境の影響が対比的に示されます。この展示を通じて、画家の夢は単なる創作意欲ではなく、「後世に伝える」という責任と願いを伴ったものだったと実感できるでしょう。家族の愛情と信念が、今日の私たちとゴッホをつなぐ架け橋となっています。
アンディ・ウォーホル 「SERIAL PORTRAITS – SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」

エスパス ルイ・ヴィトン東京(表参道・ルイ・ヴィトン表参道ビル7F)は、ファッションブランドとアートの交差点として、フォンダシオン ルイ・ヴィトン所蔵コレクションを「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムとして公開しています。本展「SERIAL PORTRAITS」は、ウォーホルの肖像作品(セルフポートレートを含む)を軸に、代表的なものから知られざる作品までを厳選し展示する内容です。ウォーホルは、広告・セレブ文化・消費社会を主題としたポップ・アートを展開し、特に画面上の反復性・アイコン性を重視しました。本展ではその肖像表現の方法論と視点の多様性を浮き彫りにします。会期は2025年10月2日(木)~2026年2月15日(日)。開館時間は12:00〜20:00、休館日はルイ・ヴィトン表参道店に準じます。入場無料ですが、混雑時には入場制限が行われる可能性があります。住所は東京都渋谷区神宮前5-7-5、表参道駅から徒歩のお出かけにも便利です。
30周年記念展「ALL OF EVANGELION」

『新世紀エヴァンゲリオン』は1995年10月4日に放送開始されて以来、アニメ界だけでなくサブカルチャー・メディア文化を揺るがす存在となりました。本年はその30周年を迎え、多くの国際ファンからも根強い支持を受けています。本展「ALL OF EVANGELION」では、テレビシリーズ・新劇場版を含むシリーズ制作資料が一挙に集結。従来あまりまとめて展示されなかったセル画、原画、設定ラフ、デジタル制作資料などを通じて、「どうやってこの世界が作られたか」の核心に迫ります。展示空間は、まず入口に初号機の大型フィギュアが立ちはだかるフォトスポットから始まり、TVアニメから劇場版へと続く制作の変遷を時系列にたどる構成。視覚・聴覚を刺激する演出も組み込まれ、鑑賞者を“祝祭”の空間へ誘います。会場は六本木ヒルズ森タワー52階「東京シティビュー」。会期は2025年11月14日(金)〜2026年1月12日(月・祝)。アクセスは東京メトロ日比谷線六本木駅1C出口から徒歩3分、都営大江戸線六本木駅出口3から徒歩6分ほど。
「ムーンアートナイト下北沢 2025」
「ムーンアートナイト下北沢」は、下北沢の街を舞台とした「月」というテーマを掲げるアートフェスティバル。2025年は9月19日〜10月5日の17日間、下北線路街ほかエリア全域で展開されます。中央展示として、英国のアーティスト Luke Jerram による直径7mの巨大月インスタレーション「Museum of the Moon」が下北線路街空き地に設置。遠目にも目立つ存在感を放ち、ライトアップ夜景も見どころです。また、BONUS TRACK隣接駐車場には、Nelly Ben Hayoun-Stépanian による「Schrödinger’s Cats」が日本初展示。量子力学の思考実験「シュレディンガーの猫」をモチーフに、宇宙観・不確定性をテーマにした作品です。通常立ち入りできない東北沢駅屋上(改札外)では、蛍光糸を用いたドーム構造の「Uranometria(ウラノメトリア)」を展示(入場には有料チケットが必要)。さらに、初の試みとして没入型演劇「イマーシブシアター『猫町』」が土日祝限定で開催。来場者自身が街を巡りながら物語に参加する体験型コンテンツです。会期中は、街なかの飲食店でも月・ウサギをモチーフにした限定メニューやコラボ企画が展開。また、地域ライブハウスでの音楽イベント、街歩きコンテンツやNFT連携企画も併設。観るだけでなく、体験・参加できるイベントづくりが特徴です。アクセスは小田急線・井の頭線「下北沢駅」直結。屋外イベントは15:00~21:00が中心。公式サイトやアプリで詳細を確認することをおすすめします。
秋は、空気も澄み渡り、心が少し繊細になる季節。展示作品にじっくり向き合う時間も、夜景や夕闇を背景にする野外アートとの出会いも、この季節だからこそ味わえる豊かな“余白”を与えてくれます。上記5つの展覧会・イベントは、それぞれ異なる魅力と体験を備えています。ぜひスケジュールを調整して、足を運んでみてください。あなたにとっての「芸術の秋」が、心に残る出会いで満たされますように。
Community Branding Japanからのお知らせ

「人と未来がつながる。」をテーマに、世界で11億人以上が利用している実名制ビジネスSNS『LinkedIn』のユーザーを中心に、ビジネスパーソン同士はもちろんのこと、首都圏の方々と地域の方々までも、リアルとSNSを越え、常識に囚われず、視野を狭めることなく、多種多様にもっともっとたくさん繋がっていくことを目的としたビジネスイベント『CBJ Business Summit』を2025年10月28日(火)に開催。定員は500名を予定しており、多種多様なチケットカテゴリをご用意しておりますので、公式サイトよりぜひお申し込みいただけますと幸いです。
【イベント概要】
・タイトル:『CBJ Business Summit』- 人と未来がつながる。-
・日程:10/28(火)11:30~19:00 受付11:00~(※状況によって時間の変更あり)
・会場:WITH HARAJUKU(東京都渋谷区神宮前1丁目14-30)
・公式サイト:https://cbj-bizsummit2025.com/
Community Branding Japanについて
CBJでは、全国の地域経済創発活動に力を入れて進めています。PRやブランディングのご支援にはじまり、実際にはたらくことを見据えた地域体験や研修プログラムづくりだけでなく、プロジェクトメンバー自身がLinkedInをはじめとするオウンドメディアでの発信することによって集客も担っていきます。活動にご興味を持ってくださる個人、企業、地方自治体の皆様、お気軽にお問い合わせください!
