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着物と帯の合わせ方。美しい和装に欠かせない「格」とは

きもののアイテムには、帯や小物に至るまで「格」があります。この「格」とは、着て行く場面に応じた格式のことで、「格が高い」とは「公的な場にふさわしい装いである」という意味を持ちます。ただし、格は「仕立ての良さ」や「販売価格の高さ」「買取価格の高さ」を示すものではなく、あくまで用途に基づく分類です。

※きものや帯の「格」については過去記事を参照してください。
「着物って何種類あるの?格式に応じた和装の選び方」
「着物の帯ってどう分かれているの?帯の豆知識をご紹介!」

着物と帯の組み合わせを考える際には、同じ格同士を合わせることで、全体の調和がとれた美しい着こなしになります。近年では、着物や帯の格の境界線が以前よりも柔軟になってきていますが、基本的な格の違いを理解しておくことで、シーンに応じた着こなしがしやすくなりますし、ルールを守ってみるということでまずその文化を知ることから始めてみるのも楽しいですよね。

今日は、着物と帯の格を踏まえたコーディネートの基本ルールについて詳しく紹介いたします。

着物と帯の基本的な格の合わせ方

    着物にはフォーマルなものからカジュアルなものまでさまざまな種類があり、それに応じて帯の格も合わせる必要があります。全体の格そして雰囲気がくずれてしまうこともありますので、注意してください。

    ●袋帯にあう着物
    黒留袖(既婚女性の第一礼装)
    振袖(未婚女性の第一礼装)
    ※締め方は「二重太鼓」と「飾り結び」

    ●名古屋帯にあう着物
    小紋や紬などの外出着やおしゃれ着
    ※締め方は「一重お太鼓結び」

    ●半幅帯にあう着物
    小紋、紬、浴衣などカジュアルな着物
    ※締め方は「文庫結び」など多様

    フォーマルな場では、着物と帯の格を揃えることが大切です。逆に、カジュアルな場では自由な組み合わせを楽しむことができます。

    帯の柄による格の違い

    画像引用元:家庭画報

    帯の柄にはさまざまな種類があり、格式の違いが反映されています。
    例えば、以下のような柄は文様自体にも意味があり、格が高いとされています。

    「正倉院文様」
    奈良・正倉院が所有する工芸染織品に使われている重厚感のある文様で、ペルシャや唐から伝承された麒麟や鳳凰などの柄が印象的。

    「有職(ゆうそく)文様」
    唐から伝承された文様をシンプルにした文様。亀甲・菱・七宝などの柄が特徴的。

    「御所解(ごしょどき)文様」
    御所車など平安貴族の日用品が描かれている文様。女性の幸福を意味して振袖の柄にも使われることで有名。

    「吉祥(きっしょう)文様」
    福徳を招くと言われる紋様で、宝物を多く集めた「宝尽くし」や松など、めでたいとされる柄が描かれることが特徴。

    着物との格のバランスを取る上では、例えば、吉祥文様の帯(格が高い)に、普段着としても使えるような紬などの着物を合わせると全体のバランスが崩れるといわれています。吉祥文様の帯は、同じ文様の訪問着や付け下げを合わせることで格式を合わせられるため、よいとされ、改まった場所にもマッチすると言われています。

    帯の素材による格の違い

    帯の格は、種類や柄以外に素材による違いが付けられています。帯の素材は格が高い順に、正絹、麻、木綿、ウールとなっており、同じ正絹の織物でも、糸の織り方によって羽二重、縮緬、紬、御召しなどの種類があります。ちなみに、同じ正絹でも、糸の織り方によって羽二重、縮緬、紬、御召しなどの種類があり、帯の素材による格は正絹が一番上ですが、紬には余り物のくず繭が使われているためカジュアルな外出着とされているなど、注意が必要です。

    いかがでしたでしょうか。次回は「着物の帯ときもの」の色や柄合わせのマナーについてお話できればと思います。

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    Edit by 高島吏紗

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