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明治から続く酒屋。未来への進化。【千葉県香取市】

江戸時代の風情や名残が今なお残る町【香取市】に、明治42年(1909年)から場所を変えずにこの地を訪れる観光客、地元の人たちの心を満たす酒屋があります。

「髙橋酒店」

本日は、ここ「髙橋酒店」の魅力とこれからに迫りたいと思います。

\千葉県香取市の紹介記事も合わせてお読みください/

1909年

当記事を書かせていただいている2025年3月3日から約116年前、千葉県香取市(当時は香取郡佐原町)に産声を上げた【髙橋酒店】。その歴史は深く、長く、海外ではジャンヌ・ダルクが名声を得たり、トーマス・エジソンがアルカリ蓄電池を発明した年と言われています。国内に目を移すと、日本の国技 相撲の聖地 両国国技館の落成や伊藤博文の国葬、はたまた現在の日本を牽引する総合商社 三井物産(当時は三井合名会社)が設立された年です。

ここ髙橋酒店は「チャンカ通り」という、いわゆる色町のど真ん中に位置し、当時から今も変わらず愛され、人々が集う場所となっています。わたしたちが安心して歩くことができる日本の街々を形成してきたくださった企業、お店の多くが変革期を迎えています。

大型店舗とコンビニエンスストア、ネット通販の普及

昔ながらの日本や大正ロマン、明治維新、昭和…など、過去に思いを馳せ、ノスタルジックな世界観を味わおうとする風潮はごく最近の出来事です。それまでは「新しいもの」「便利なもの」「便利な場所」に多くの力と視点が注がれていました。その最たる例が大型店舗ではないでしょうか。首都圏を出て、田舎道を30分ほど走らせると、必ず大型スーパーが目に飛び込んできます。駐車場が広く、食品や酒類の販売だけでなく、日用品や雑貨なども取り揃えるようになっています。近年では映画館やフードコートなど、娯楽施設も併設している場所を多く見かけます。またインターネットの普及によって、地域の特産品やお酒も簡単に手にすることができるようになりました。

これらの影響を受け、いち早く店舗数を減少させたのが「町の駄菓子屋さん」や「町の本屋さん」です。次いで、多くの酒屋さんがコンビニエンスストアに変わり、その面影を消していってしまいました。これは一重に大型スーパーやインターネットの台頭だけでなく、これあら地域に根差すお店の経営者の高齢化も影響していると考えられます。

髙橋酒店の事業承継

ここ髙橋酒店の現オーナーは髙橋隆蔵さんです。千葉県香取市で生まれ育ち、ホテルのバーテンダーとして修業。ワインソムリエの資格を取得したのち家業である酒屋を継ぎました。地元のお酒に加え、国内外様々なお酒を豊富に取り揃えているだけでなく、明治から続く、そのノスタルジックな内装はまさに異空間です。ちょうどわたしたちがお店を訪れた際には観光客と思しきお母さんと娘が「お父さんのお土産でお酒を探しに来ました…!」という光景に出会いました。お父さんがいつも飲んでいるお酒や好きな食べ物、普段の生活、今回この地(香取市)に来たキッカケを優しくお伺いしながら、数あるお酒の中から1本の日本酒をおすすめされていらっしゃいました。高ければよい、有名だから良い、だけではない、「お父さん」に贈る特別な1本を一緒に選ぶ光景は大型スーパーやコンビニでは決して見ることのできない光景でした。

しかし、時代の激しい波の中でも立ち続けるためには、お店での販売だけでなく、地域への配達販売やインターネット注文への対応。はたまた地元イベントへの出展や協力も不可欠です。これまでの酒屋さんの仕事だけで、事業継続は難しい時代になっています。髙橋酒店では「角打ち」もはじめており、オーナーお手製のピザ(個人的にNo.1ピザ屋さんでもあります。)をいただきながら、陳列されているお酒を、明治に思いを馳せることのできる店舗内で楽しむことができます。

最近は、高橋酒店オリジナルのクラフトビールづくりにも着手しています。クラフトビールを味わうと、お店のノスタルジックな雰囲気を脳内で呼び起こし、佐原の町並みを二度、三度、味わうことができるかもしれません♪

地域の個人店に、行こう

町を歩いていると素敵なお店をちらほら見つけることができます。きっと、皆様の住む町にも素敵な個人店があるはずです。大型スーパーですべての買い物を済ませてしまう日があっても良いかもしれません…。その日々のルーティーンの中で週1に1回だけでも「今日はあそこの個人店にお世話になろう♪」と行動してみてください。

きっと、わたしたち一人一人の小さな行動が、個人店の歴史を刻み、その継続が町の歴史を刻んでいくはずです。地域・町の時計の針を止めないためにできること。

大切なことを、いつも教えてくれる「髙橋酒店」さん、香取市にお越しの際は必ず立ち寄ってみてください。きっと、あなただけのおすすめの1本と素敵な思い出を持ち帰れるはずです。

Community Branding Japanについて

CBJでは、全国の地域経済創発活動に力を入れて進めています。PRやブランディングのご支援にはじまり、実際にはたらくことを見据えた地域体験や研修プログラムづくりだけでなく、プロジェクトメンバー自身がLinkedInをはじめとするオウンドメディアでの発信することによって集客も担っていきます。活動にご興味を持ってくださる個人、企業、地方自治体の皆様、お気軽にお問い合わせください!

Edit by 長嶺将也

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