10月。街の木々が色づき、子どもたちの笑い声が響く季節。
今やハロウィンは大都市の仮装パレードだけでなく、地域に根ざした“まちの祭り”として広がりを見せています。
地元の商店街が力を合わせて開催する「まちハロ」や、学校や町内会が中心になった“手づくりハロウィン”など――。
地域ならではの温かさと創意工夫が、全国各地で光っています。
地域で生まれる「ハロウィンの新しい形」
大がかりな演出よりも、“顔が見えるつながり”を大切にしたイベントが各地で増えています。空き店舗をおばけ屋敷にリメイクしたり、地元農家のかぼちゃでジャック・オー・ランタンを作ったり。親子で歩いて楽しむ「仮装ウォークラリー」や、地元カフェが参加する“お菓子スタンプラリー”など、まち全体が小さなテーマパークのように変わる光景も。こうした動きは、単なる季節イベントではなく、「まちの関係性を取り戻す日」としてのハロウィン文化を育てています。
各地で広がる“ローカルハロウィン”の風景
北海道・安平町「D51ステーションハロウィン」
鉄道遺産を活かした観光拠点「D51ステーション」を会場に、地域住民と観光客が仮装して集う秋の恒例イベント。
SL展示や鉄道グッズ販売、仮装コンテスト、キッチンカー出店など、“鉄道×ハロウィン”というユニークな組み合わせが話題を呼んでいます。家族連れの来場も多く、地域のランドマークとして定着しつつあるイベントです。
長野県・松本市「ハロウィンウィーク アソビバ！で Trick or Treat！2025」
松本市立博物館が主催する子ども体験イベント「アソビバ！で Trick or Treat！」が ハロウィンウィーク として、2025年10月に実施されます。来館者へのトリック・オア・トリート、展示と連動した体験プログラムなど、博物館ならではの内容が中心。このように、松本でも「博物館 × ハロウィン」融合型企画が動いており、地域性と学びを掛け合わせたコンテンツが注目されています。
広島県・尾道市「第10回 おのみちHappyハロウィン2025」
尾道の中心商店街「尾道本通り」を舞台に、今年で10回目を迎える人気イベント。2025年10月26日（日） に開催され、仮装パレードやフォトコンテスト、スタンプラリー、商店街をめぐる“トリック・オア・トリート”など、地域全体で楽しむハロウィンが繰り広げられます。参加者は商店街を歩きながらお菓子を集め、各店のハロウィン装飾を楽しむスタイル。地元店舗との交流や世代を超えた参加が魅力で、“まちが一つになる日”として定着しています。
地域経済を動かす「ハロウィン経済圏」
ローカルハロウィンの波は、まちの経済にも広がっています。イベント当日は商店街の来訪者が2倍以上に増えたり、
クラフト市やキッチンカー出店で地域消費が活性化。地元クリエイターや学生がデザインに関わるケースも多く、「ハロウィンを通じた地域共創」が現実のものになっています。
ハロウィンが結ぶ“まちの笑顔”
ハロウィンは、仮装やお菓子だけのイベントではありません。
地域がつながり、人と人が笑顔で交わる日。
その輪の中には、世代を超えて“まちの未来”を楽しむ姿があります。
今年の10月、あなたの町でも――
新しいハロウィンの形が生まれるかもしれません。
