画像引用元:TheGateより
日本を代表する世界遺産、白川郷。
岐阜県西北端の村、白川村が有しているこの集落は1995年にはユネスコの世界文化遺産に登録されて以来、国内外から訪れる多くの観光客を魅了しています。(なんと観光客の数は年間180万人を超えるそうです!)
四季折々の美しさを楽しめるこの地は、長い歴史の中で培われた「結」の精神によって支えられています。「結」とはなんぞや?と思っている方もいるかもしれませんが、そちらも含め、今回は白川郷の魅力や特徴をご紹介しようと思います。
●合掌造りの魅力
白川郷の合掌造りは雪深い地域特有の建築様式で、「手を合わせた時の腕の形」に由来していると言われています(諸説あり)。合掌造りにはいくつか特徴があるので紹介させていただきます。
・木材のみで作られた屋根
茅で葺かれた屋根は、通気性、断熱性、吸音性、保温性に優れています。また、釘などの金属類は一切使用されておらず、木を組み合わせ縄などで結束するという柔構造のため地震や強風に強いといわれています。
・大きな屋根裏スペース
寒冷な白川郷周辺では稲が育たないため養蚕業が村の人々を支える基盤産業でした。養蚕業は風通しの良い広い屋内空間が必要で屋根裏のスペースは蚕絹糸の生産に有効活用されていました。
・同じ向きに建てられた家屋
合掌造りの建物は屋根の妻側が南北を向いています。これは白川に吹く風向きが考慮されており、風の抵抗を最小限にするとともに屋根に当たる日照量を調節して夏は涼しく、冬は保温されるようになっています。
●「結」が支える地域の絆
白川郷の文化を語るうえで欠かせないのが、「結」の精神です。「結」とは、住民同士が助け合い、労力を共有するという伝統的な相互扶助の仕組みです。
合掌造りの家屋は大人数で協力しないと維持ができないため、この精神が今の白川郷を作り上げているとも言えます。
例えば、茅葺き屋根の葺き替え作業は、村人全員が力を合わせて行う一大イベント。すべての茅を下し、片付け、新たな茅を1日で葺いていくというとても大変な作業です。
近年では、少子高齢化や多くの人に協力を依頼する大変さなどから、専門の業者に頼む人が増え「結」による作業は減っているということです「村民学」と称して、地元の小・中学生たちが茅葺きの技術などを学ぶ機会も作られているとのことで、時代と共に変化しながら「結」の精神は次世代へ繋がれていきます。
●未来に向けた課題と希望
白川郷は観光地としての発展が進む一方で、オーバーツーリズムや老朽化といった課題にも直面しています。現在も約1,600人の方が暮らしている白川郷ですが、ゴミ問題や景観の変化が地域住民の生活に影響を与えており観光の「質」を高める取り組みが求められています。
現在、白川郷では体験型の観光が導入されるなど、観光の「量」から「質」への転換が図られています。このような取り組みによって、観光地としての発展と地域住民の暮らしとの調和を目指す努力が続けられています。
白川郷は、単なる観光地ではなく、人々の絆と自然の力が融合した特別な場所です。四季折々の風景を楽しむだけでなく、「結」の精神に触れることで、白川郷の本質的な魅力をより深く感じてみてはいかがでしょうか。
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Edit by 水野友香