日本酒の国内出荷量は1973年の177万klをピークに減少傾向が続いており、平成10年（1998年）に1,133,000キロリットル、令和5年（2023年）に390,000キロリットルと、25年間で約3分の1まで日本酒の国内出荷量は減少しています。その中でも特徴的な事象としては、原料、製造方法等の違いによって吟醸酒、純米酒、本醸造酒等に分類される「特定名称酒」の国内出荷量は増加していて、逆にスーパーマーケットやコンビニに並ぶパック酒やカップ酒などが代表的な「一般酒」は減少しているという事実です。日本酒はいまやただの国産のお米を使ったお酒ではなく“プレミアムブランド”になっています。そんな日本酒の世界を国内の情勢や海外での日本酒のブランド展開など、いくつかの切り口で複数回に渡ってご紹介していきたいと思いますので宜しくお願いします。
日本全国各地の酒蔵の今
日本全国各地の酒蔵の総数は日本酒造組合中央会の調べによると、今、全国には約1,600の酒蔵（日本酒、本格焼酎・泡盛、本みりん）が存在しています。その中でも何県に酒蔵の数が一体どれくらいあって、何県の酒造業が盛況なのかは、質問されたら意外と日本に住んでいて日本酒の存在自体は子どもの頃から知っている日本人でもすぐには答えられなかったり、曖昧だったりすると思うので、今回は都道府県別の酒蔵数ランキングの上位5県（※2021年データ参照）についてご紹介させてください。
1位 新潟県（酒蔵数88）
画像引用元：朝日酒造株式会社HPより引用
新潟県は、酒造りに適した米、水、風土、人に恵まれた地酒王国で酒蔵数が全国で最も多く、日本酒消費量も日本一で、淡麗辛口の酒質で知られています。代表的な銘柄としては、「久保田」（朝日酒造）、「八海山」（八海醸造）、「越乃寒梅」（石本酒造）などがあります。
2位 長野県（酒蔵数72）
画像引用元：真澄 蔵元 | 宮坂醸造株式会社(信州諏訪 7号酵母発祥の酒蔵)HPより引用
長野県には、清らかな自然に育まれる「信州の地酒」は、造り手の熱い思いや温もりも感じられる銘柄が多く、風味の幅の広さも魅力で、酒蔵数が全国第2位、山間部の清らかな水を活かした酒造りが特徴です。代表的な銘柄としては、「真澄」（宮坂醸造）、「大信州」（大信州酒造）、「澤の花」（伴野酒造）などが挙げられます。
3位 兵庫県（酒蔵数70）
画像引用元：白鶴酒造株式会社HPより引用
兵庫県は、日本酒の生産量が全国第1位、江戸時代から、清酒の一大生産地としてその名をとどろかせる「灘五郷」は、日本酒の歴史を語る上で欠かせない一帯で、特に「灘の生一本」として知られる灘五郷の酒が有名です。代表的な銘柄には、「白鶴」（白鶴酒造）、「菊正宗」（菊正宗酒造）、「大関」（大関）などがあります。
4位 福島県（酒蔵数55）
画像引用元：酒乃店もりしたHPより引用
東北地方の南端に位置する福島県は、個性的な日本酒の名産地で、多くの蔵元が腕を競い合い、多様なタイプの酒が造り出されています。近年全国新酒鑑評会での金賞受賞数が多く、品質の高い酒造りで注目されていて、代表銘柄は、「飛露喜」（廣木酒造本店）、「会津中将」（鶴乃江酒造）、「寫樂」（宮泉銘醸）などが知られています。
5位 京都府（酒蔵数50）
画像引用元：月桂冠株式会社HPより引用
京都府は、伏見地区を中心に古くからの酒造りの伝統が息づいており、全国第2位の生産量を誇ります。代表的な銘柄には、「月桂冠」（月桂冠）、「黄桜」（黄桜）、「松竹梅」（宝酒造）などがあります。
奥深い日本酒の世界のすべてをご紹介するのにはまだまだ気の遠くなる時間がかかりそうです…
次回の“美しき日本酒の世界”もぜひご覧頂けると嬉しいです…！
（記事を書いた日は毎回思わず日本酒を飲んでしまっているのが内緒です…笑）
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Edit by 淀瀬博行
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