みなさま「ういろう」って好きですか?なじみはありますか?
若者の和菓子離れが続いている…なんてニュースになることもありますが、伝統的な和菓子のことを知る機会はあまりないような気がします。
今回は、関東在住の筆者がはじめて感動の体験をした「山口ういろう」をご紹介します!
全国のういろう
ういろうとは、米粉や小麦粉などに砂糖や水を練り混ぜ蒸した和菓子です。季節などによって味のバリエーションも様々で、小豆をのせて三角に切った「水無月(みなつき)」や笹の葉で包んだ「外郎ちまき」というものもあります。
ういろうで有名な場所は、名古屋かと思います。米粉が使われていて、ずっしりと重厚感があって、食べていくうちに甘さが広がっていくのが印象的です。
今回とりあえず山口以外でも、小田原、京都、神戸、宮崎など各地で名物となっています。江戸時代には製法が確立されていたようで、歴史あるお菓子なんですね。
山口のういろうの特徴は?
山口のういろうは「ぷるぷるとした弾力と、もちもちとした食感」が特徴的。甘いものが苦手な方でも、するりと食べてしまうような舌ざわりです。

★原料
一般的なういろうは米粉を主原料とするものが多いですが、山口県のういろうはわらび粉を主原料としています。わらび粉が、独特のプルプルとした食感を生み出しています。地元ではその独特のなめらかさは「おっとり」と表現されているようです。
★製法
わらび粉を使うことで、よりきめ細かく、なめらかな食感に仕上がります。蒸し方や材料の配合にも各店舗のこだわりがあり、それぞれ異なる味わいを楽しめます。甘さ控えめで上品な印象です。
★歴史的背景
山口県はかつてわらび粉の産地であり、その歴史的背景からわらび粉を使ったういろうが作られるようになったと言われています。今は南九州がメインの産地なので、想像つきませんよね!
わたしが初めて食べた山口のういろうは、御堀堂さんのものでした。室町時代、福田屋で初めて作られたといわれている山口伝統のういろうです。日本一周をしていたときに、山口県にお住いの方にいただきました。(ありがとうございます!)
口に入れると、とろけるような舌触りで、上品な甘さが広がり「え、これ…ういろう!?」と何度も確認したくなります。蒸した後そのまま包装するという、生のういろうを食べることもできるのですが、これは更にもちもち感が特に強くて感動。こんなにおいしい和菓子が存在するのかと驚きでした。

和菓子としてのういろう
とっても申し訳ないのですが、ういろうって人気なんでしょうか?
ういろうが大好きです!という方に会ったことがありませんでした。かく言うわたしも、そんなに好んで食べるものではないと思っていました。(ごめんなさい涙)
ということで、和菓子ランキング何位に入るんだろう?と気になって調べました。

圏外…になるんでしょうか…
「八ッ橋や栗きんとんは10位以内に入らなかった」という文面もあったので、メジャーな和菓子ではないのかもしれません。
しかし3位に、わらび餅。
もちもちとぷるんとした食感が特徴的なわらび餅が人気なのであれば、山口ういろうは知名度が高まれば相当な人気が出るような気がしてきます。
この食感は、世界中で愛されているように思います。タピオカなんかはその代表例とも言えますよね。ういろうも、そのもちもち感と上品な甘さで、海外の人々を虜にできるポテンシャルを秘めているかもしれません。
おわりに
今回は、山口の美味しいういろうについてご紹介しました。小さな老舗が、実はその地域の歴史の核となるお店だということはよくあることです。
伝統的な製法を残して、長年愛される地域の大切なお店として、代々継いでこられているんですよね。和菓子から地域の歴史や文化に触れてみるのも面白いと思います。
日本の各地にある美味しい銘菓を知って堪能する旅なんて、いかがでしょうか?
トップ画像引用元:一般社団法人山口県観光連盟 WEBサイト