伝説の六歌人
小学校や中学校で何度も目にしてきた「古今和歌集」や「万葉集」。今から1100年も昔、平安時代に活躍した歌人たちの歌が収録されています。時を経ても変わらないもの、こと、人間の感情や恋心、政(まつりごと)を教えてくれる大切な教養として、今なお私たち多くの日本人が触れてきました。中でも有名な歌人、在原業平、小野小町、僧正遍昭、文屋康秀、大友黒主、喜撰法師の6人のうち、1人でも耳にしたり、覚えていたりする人がいるのではないでしょうか?
例えば、小野小町。6歌人のうち、唯一の女性。絶世の美女と言われていた彼女が詠んだ歌
『花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに』
「(現代語訳)春の桜の花の色は、すっかりと色あせてしまった。同じように、私の美しさも衰えてしまった。そう、長く降り続く雨に、むなしく物思いに耽っている間に。」
昔も今も変わらない光景や情景。どこか心が落ち着くような、どこか心が温まるような、そんな感覚を抱くのではないでしょうか。このような歌を詠んだ小野小町を含めた6歌人は『六歌仙』と呼ばれてもいます。
そして現代。この心の温かさ、人々の心に優しさを響かせる酒蔵があります。
今日は、そんな優しさをお届けする酒蔵【六歌仙】の魅力に迫ります。
酒蔵 六歌仙

1972年、現在の山形県東根市にある5つの酒蔵が集まり創設されたのが、ここ【六歌仙】です。創業から53年を迎え、当酒蔵では数多くの受賞日本酒を抱えるだけでなく、日本酒の可能性を追い求め、そして後進育成にも力を入れています。
お酒の百貨店 六歌仙
六歌仙では、日々歓ばれるお酒を探求し続けています。純米酒、純米吟醸酒、大吟醸、純米大吟醸というラインナップだけでなく、果物をつかった日本酒リキュールや酒粕をつかった、どこか高級ウイスキーを彷彿とさせるような焼酎づくりにも取り組んでいます。また地域に根差し、国内外幅広いお客様に歓ばれる日本酒づくりを目指すという言葉どおり、”対話”が至るところで行われているのが特徴的な酒蔵です。
近年、蔵見学の受け入れを行っている酒蔵は増えてきており、日本人の日本酒離れから日本酒の魅力発掘文化に変わりつつ気運を全国各地で感じることができます。加えて、ここ六歌仙では、年に2回、独自の酒祭り(蔵参観という名のイベント)を開催しています。このイベントでは、社長(松岡茂和氏)自ら日本酒のおつまみの考案・開発を地元の方々と進めるだけでなく、イベント中に特別ブース(茂民という予約限定のブース)を設けて、予約者への六歌仙の日本酒飲み放題企画を打っています。ここでは社長が先頭に立ち続けお客様にお酌したり、声を直接聞きに行き「この日本酒が良い」「昨年のあの日本酒の方がよかった」「次はこんなおつまみに合う日本酒をつくってほしい」という声に真剣に耳を傾けるだけでなく、「今年の日本酒は…」という時に厳しい意見にも真剣な眼差しで向き合っている光景を目の当たりにしました。
平安時代にはインターネットも携帯電話も存在しませんでした。存在するのは紙、ペン、文字、言葉。目の前の人から発せられる言葉と目線からすべての情報を集めなければいけません。その「傾聴」の姿勢が、きっと「6歌人」へと成っていったのではないでしょうか。
六歌仙の代表 松岡氏の地域の方々との対話の「傾聴」は、まさに6歌人を彷彿とさせるような、だからこそ生まれてくるお酒の百貨店なのではないか。そう自然と感じることのできる素敵な空間が酒蔵 六歌仙には広がっています。
おススメのお酒 in 六歌仙
そんな6歌人の魂が宿る六歌仙のお酒の数々の中でも筆者が特におススメしたいお酒を3つ紹介させてください。
六歌仙 五段仕込み純米

江戸時代の酒造りの文献を紐解き、現代風にアレンジされた純米酒。熱燗コンテストで最高金賞を受賞しております。冷酒で飲んでも、熱燗で飲んでも存分に堪能できます。日本酒が少し苦手な方でも冷酒は、飲み口が柔らかく、どこかフルーティで飲みやすいです。熱燗にすると、冷酒の柔らかさから剛さに変化。どこまでも続いていきそうな熱燗ロードが見えてきます。
蔵の隠し酒 純米吟醸 sakuri生酒

東北ならではの「雪中熟成」の一本。コメの柔らかな旨味や華やいだ香りとリフレッシュ感に雪解けの波動がもたらす滑らかな味わいが楽しめます。他にgryururi、kirari、surusiの3種の雪中酒を揃えていますが、この時期(初春)の一本は「sakuri」で決まりです。
またパッケージデザインは東北芸術工科大学の学生とのコラボレーションとなっております。手に取りやすさと紙の柔らかさがあり、令和と昭和を融合させたような心地よいデザインも特徴です。
OME 香 SHI Liqueur ラ・フランス

おめかしリキュール ラ・フランスです。フルーツ王国山形の特産フルーツを香り、味で楽しむことができます。アルコール度数4%ですが、アルコールを感じさせないラ・フランスらしい上品な甘さが口いっぱいに広がります。またくどくない甘さで喉元に残らないのも特徴です。ロック、ソーダ、ときにカクテルとして「おめかし」を楽しんで飲んでいただくこともできる一杯です。お酒の百貨店 六歌仙とフルーツ王国山形ならではの一本は、ぜひ大切な人たちが集まる会で大活躍間違いなしです。
いかがでしたでしょうか♪
今回は山形県の酒蔵【六歌仙】にお邪魔してきました。春・秋にイベントを開始していますので、ぜひ足を運んでみてください♪
六歌仙HP: https://yamagata-rokkasen.co.jp/ (画像引用元)
日本酒に興味を持っていただけましたら、合わせて『美しき日本酒の世界【日本の酒蔵編】』もお読みください♪
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Edit by 長嶺将也